名古屋中区大須のブーツ修理店RADIANの修理ブログをご覧いただきありがとうございます。
今回は靴製造や修理の際にちょいちょい出てくるウェルトという部品の名前。このウェルトについて解説してみたいと思います!
ウェルトって何?
そもそもウェルトって何だろう?
靴の部品??
革靴の製造や修理などお仕事されている方以外、靴の事に余程詳しい方でもなかなか明確には答えられないかもしれませんね。革靴が好きで雑誌や靴修理屋さんのインスタやブログなんかをよく見ているマニアックな方はウェルトやリウェルトなーんてワードは耳にしたことがあるかもですね
アッパーと靴底を連結する部品
ウェルトとは、アッパーに縫い付けられていて、靴底とアッパーを連結させるための部品です。この説明を聞いても今いちピンとこないかもしれませんね。
別の言い方をしてみます。
ソールの中で1番上面の層、ステッチがかかっている部分になります。これなら説明ならどうでしょうか?
ウェルトを使うのはブーツだけ?
いえ、そんな事ありません。
ブーツのほか革靴やスニーカーでもウェルトを使う場合があります。ウェルトを使っていなくて、靴底をアッパーに直接取り付けちゃう靴も存在します。
世の中の靴には、色々なタイプの革靴やブーツ、さらにはグッドイヤーウェルト製法やマッケイ製法、セメンテッド製法などなど色々な製法によって組み立てられている靴が存在するわけですが、話が大きくなってしまうので
本日ご紹介するのは、レッドウイングや高級紳士靴などに採用されることの多い、グッドイヤーウェルテッド製法の靴のウェルトに関しての内容・さらに靴修理する場合においてのウェルトの話になります。
ウェルト交換する必要あるの?タイミングは?
①履きすぎちゃった場合
まずは画像をご覧ください
かかとの部分の靴底がなくなるほど削れている様子がわかるかと思います。
このような状態にある場合は、ウェルトそのものが痛んで再利用できないので交換修理となります。お気に入りの靴はついつい履き込んでしまいますが、靴底の減り具合をチェックしておくと吉
②何度もソール交換修理を行った場合
靴底を縫うミシンは巨大です。何せ頑丈なワークブーツのソールを縫うわけですからパワーもあります。そして針も非常に太いものを使います。
ソールの交換修理の際には、靴底の周りを縫ってあるステッチを縫い直す事になるのですが、ソール交換修理を何度も行う事になると、何度も太い針でウェルトを縫い付ける事になりウェルト自体がボロボロになってきます。
そうなるとぱっと見の状態は問題なさそうでも、ウェルト自体の耐久性が低下している場合は、ウェルトの交換修理をしなくてならない場合もあります。
一般的な話ですが、グッドイヤーウェルト製法においてソール交換可能な回数は2~3回程度なんて話も聞きますが、この話のポイントは、靴自体がダメになってしまうのではなく、ウェルトがボロボロになるから2~3回程度が限度では??という話ですね。もちろんウェルトの交換修理を行えば、さらに2~3回ソール交換可能となります。
③雰囲気を変えたい場合
グッドイヤーウェルト製法のウェルトは多くの場合、素材に革が使われており、黒や茶色などに着色して靴やブーツに取り付けています。このカラーリングはメーカーさんが決めてるわけですが、何となく気に入らない場合もある事でしょう。
そんな場合においても、ウェルト交換する事で自分好みの見た目・カラーリングにカスタマイズするために、修理のオプションメニューとしてウェルト交換する場合があります。
したの画像がウェルト交換したブーツのビフォーアフター。ソールの種類が変わった事による変化もありますが・・・ウェルトのカラーが黒から明るい茶色に変わるだけで雰囲気がガラッと変わります。
ウェルト交換費用の目安
ウェルトの交換費用は13000~15000円程度。
ウェルトにも通常の平たいタイプから、ポコっとしたストームウェルトなどありますので、ウェルト交換する靴やタイプやウェルトの種類などにより費用が変わります。注意点としては、靴底が剥がれている状態でないと、ウェルト交換ができないためソール交換修理も必ず必要。修理費用はソール交換費用と別途での請求となります。
ウェルトから交換することで、通常のソール交換以上に修理やカスタムの幅も広がります!修理費用の総額が比較的高額になってしまうデメリットこそありますが、ウェルト交換修理する事でお気に入りの靴を長く長く愛用する事が可能となります。